ケガの功名?日本代表:W杯アジア最終予選2試合の見解

絶対に勝ち点6が欲しかった今回の2試合
UAE 0-2 日本
日本 4-0 タイ

勝ち点6、得点6、失点0
字面的には、満足の数字だろう。

しかし、内容はあまり褒められたものではない。

今回、直前に長谷部がケガで離脱したことで、不安が多かったわけだが、
終わってみれば、これは今後の日本代表にとって大きな分岐点になったことは間違いない。

要するに、長谷部である必要がないということ。
今回、UAE戦は今野、タイ戦酒井高。

今野は非常にいい仕事をした。
前後だけなく左右とプレーするスペースも広かったし得点も決めた。
本来、運動量や守備への危機意識には定評があったのは事実だが、今のタイミングでここまでのパフォーマンスを発揮できるとなれば、彼は完全に必要な駒の1つとなった。

酒井は、いくらクラブでのプレー経験があるとはいえ、代表で90分安定したプレーをするのは難しかった。
前半は動き回れたが、後半はぱったり動きも顔を出すことも減った。

何年か前に、ロシアに長谷部はいないだろうと書いたことがあるが、
今回の2試合で分かったことは、少なくとも長谷部である必要がなく、これからここのポジション争いが始まるということだろう。
個人的には柴崎押したいけど・・・。
もちろん、今回のを見て長谷部ももうワンランク上げてくるだろうし、ポジション争いは激しくなることは必死だろう。

さらに付け加えれば、山口にも注文をつけたい。
彼の守備での判断力は認める部分がある。
しかし、止める、出すという基本のプレーの質が低い。
このポジション、攻守の起点でもある。
しっかりボールをキープする、落ち着かせる等、試合を読む能力を発揮するためには、止める、出すという基本プレーが不可欠。
このポジションの選手が流れを変えるミスパスが多い今、今後のために書いておく。

この2試合の評価として
その他の選手を挙げていくと

個人的にかなり評価が高いのは原口
原口には、得点やドリブルを期待して人も多いかもしれない。
今までは、レギュラーを獲得するために、我武者羅にプレーをしていたが、この2試合完全にチームにフィットを目指したプレーであった。
今回はバランスを取るという課題もクリアしたし、熟成されて来ればもっと良さが出てくるだろう。

そして久保だろう。
プレーの質は高いし、しっかり得点、アシストもした。
チームとしての組織にはなじんでいないが、周りが彼を生かし、それに応えたという部分では合格点を挙げられる。

日本代表において、この試合でも分かったことだが、1人はチャレンジする選手を置いたほうがいいということ。
ハリル掲げているサッカーはボールキープの時間を多くするサッカーではない。
過去を見るとボールキープの時間が長く、なんとなくボールを回しているが、回しているうちに選手間の距離がおかしくなり逆にカウンターを食らうケースが多々あった。
その意味では、スペースにボールを出せば何かしてくれる、個で打開を試みてくれるという久保みたいなタイプは、少ない時間、少ないパスで得点するというハリルのやりたいサッカーに合う気がする。

ただ、1つ気にしなくてはいけないことは、久保がいいのではなく、久保タイプの選手がいれば試す価値があるということ。
そしてそこにはある程度の周りのケアが必要だということ。

久保もハリルの戦術や組織を理解するうちに、今のプレーが薄れることが予想される。
しかし、それは普通である。
戦術理解の中で、自分を生かすために周りとの協調を高めていくことが今後も求め続けたいことだろう。
とはいえ、これまで期待された乾にしろ誰にしろしっくりこなかっただけに、久保でいいとは思う。

大迫もよかった。
UAE戦だけだったが、彼のボディバランスはいい。
空中戦でも負けないし、前線でのボールのおさまりもいい。
岡崎とはタイプが大きく違うので、守備的な試合をしなくてはならない、我慢しなくてはいけない試合では、遊んでしまうかもしれないが、彼の存在感は大きかった。

本田も。
後半から彼が出てきたわけだが、この2試合で一度もボランチをやらなかったのは、本田が拒否しているのか?ハリルにその意図がないのか?わからないが、残念であった。
少なくとも、酒井よりは本田のほうが面白いと思ったし、流れも悪かっただけに、ボールを落ち着かされることだけでもできただろうに・・・。
ただ、本田と宇佐美はハリルにとって期待したい選手であることは間違いないだろうし、逆に言えば、後半から本田が使えるというのは大きい武器。
宇佐美は早く殻を破ってノッテきてほしい。(きっかけつかんでほしいっと、ハリルも待っていることだろう)

試合について
特にタイ戦だが、完全に相手に翻弄された。
4-0であったが、これは個のチカラが若干上回っただけ。
守備の連係や攻撃での動き、球出し、ボールの受け方などバラバラであった。
メンバーが変わったからということはあっても、こんな試合を次回も続けるようでは、今後が心配でもある。

日本はやはり、組織がしっかりしてこそ。
うまい順に11人集めればいいというものではない。
その意味では、メディアは浮かれ気味だが、これではあと3試合、落とし穴が待っているよ。

最後に
タイ腺に関してはコンディションも悪かったかなぁ~?!
少なくともディフェンス陣の頭は疲れていたね。

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