ナビスコ決勝。
鹿島に延長で1-2と悔しい敗戦でした。
お互いが中盤で潰し合う頭脳戦という内容でもなく、展開力や運動量、個人技で打開するようなダイナミックなサッカーでもなく、ナビスコの決勝とは思えない、質の低いサッカーと感じた人は少なくなかったかもしれません。
しかしながら、そう思ったからと言って決して悪いことではありません。
まだまだ、完成にはほど多いエスパルス。
テコ入れが、思うように進んでいない鹿島。
お互い目指すサッカーはあれど、未完成の段階。
さらに、一発勝負というナビスコの決勝。
さらにさらに、1週間前にリーグ戦で1試合行ったこともあり、勝つためにはどうすればいいのか?という前に、負けないためにはどうすればいいか?という監督意識が見えてとれる試合内容でした。
玄人好みのサッカーともいい難く、複雑な思いで観戦していました。
エスパルスは、少しはボールをキープする時間を作りたい。
鹿島は、前線からのプレスはほどほどに、また、本田を少し深めの位置においてカバー役に。
前半は、お互いの意志がきっちり噛み合い、エスパルスがボールをキープしながら、ゲームは進むも、お互い無理はしない構え。
エスパルスペースに見えなくもないが、サイドからの攻撃のバリエーションが少ない。
後半動いたのは、鹿島。
興梠を下げてドゥトラを入れる。
ドゥトラの調子は本調子ではないとしても、大迫との連携は悪くない。
ドゥトラへのスペースを作る動きはなかなかよく、エスパルス守備陣若干綻びを見せる。
エスパルスは、64分小林を河井に変えて投入。
この試合のポイントは、良くも悪くもここであった。
小林が積極的にボールに絡み、サイド以外の展開を模索する。
70分、鹿島は増田を本田に変えて投入。
攻撃への厚みを試みる。
個人的には、本田の守備でのバランスのとり方はいいものがあったし、逆にエスパルスチャンスという交代にも見えなくはなかった。
この辺から、中盤の攻防が激しくなり出す。
そして73分。カウンターからPKを献上し失点。
直後、PKでエスパルスが追いつき振り出しに・・・・。
正直、エスパルスのたたみかけはこのタイミングでの選手交代ではなかったかと思う。
流れは確実に傾きだす気配はあった。
そのまま、延長へ。
延長開始から、石毛を投入。
そして、延長3分、柴崎に決勝点を奪われ1-2で終了。
正直、この試合においては
高原をベンチに入れておきたかった、もう少し早く選手交代をしたかった、交代選手はあれでよかったのか?などなど、いろいろ言いたいこともある。
しかし、試合の中で、意図はいろいろ見ることが出来た。
村松を下げた段階で、確実にチームとして新しいチャレンジを試みた。
大悟を攻撃の起点として、クサビのパスで打開を試みた。
それも、1度や2度ではない。今までは見ることの出来なかった攻撃パターンであった。
結果的に、手足も出ずに時間の無駄になったかもしれない。
もちろん、そう簡単にうまくはいかないし、決勝という舞台でこれでいいのか?ということも思わなくはないが、今後の攻撃パターンとして、サイド攻撃をより生かすためのセンター攻撃は、効果的となるだろう。
選手たちは、120分よく動いたし、全力を尽くした。
もちろん、悔いはあるだろうが、これが現実と受け止められるだろう。
これから、どうすればいいのか?
何が足りなかったのか?
逆に、今まで何がよかったのか?
決勝という舞台で負けたからこそ、学ぶこともある。
水曜日、新潟戦を控えている。
コンディションも大事だろうが、それ以上に気持ちを前面に出した試合でうっぷんを晴らしてもらいたい。